‘作文’ カテゴリーのアーカイブ
2009年9月28日
本に行う書き込みは三種類有ります。
- 構成上の書き込み
-
点検読書で行う、本の構成に関する書き込み。
内容に詳しく触れる必要は無い。
- 概念に関する書き込み
-
分析読書で行う、本の内容に踏み込んだ書き込み。
四つの質問の第三の質問に答えるためのもの。
- 弁証法的書き込み
-
シントピカル読書で行う、複数の本にまたがった書き込み。
複数の著者全員についてその議論の進め方に関する覚え書き。
ここでは第一の構成上の書き込みについて見てみましょう。
構成上の書き込みは点検読書で行う書き込みです。
一方、点検読書は可能な限り短い時間で行う必要が有ります。
そんな時に書き込みしている時間は無いかもしれません。
しかし、点検読書でも答えるべき質問があります。
そのため、それに関した書き込みを行っていくのが望ましいです。
点検読書をしながら問うべきことは、
- それはどんな種類の本か
- 全体として何を言おうとしているか
- そのために著者はどのような構成で概念や知識を展開しているか
最初の二つは読者のすべき四つの質問の一つめ「全体として何に関する本か」に関係しています。
三つ目の質問は四つの質問の二つめ「何がどのように詳しく述べられているか」に関係しています。
これらの書き込みは目次やタイトルページにするのが効果的でしょう。
余裕があれば、表表紙の見返しに独自の目次を、裏表紙の見返しに独自の索引を書き込んでおくとより効果的でしょう。
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2009年9月22日
さて、本を読みながら四つの質問に答えていかなければいけない訳ですが、それには頭の中だけでなく、書きながらの方がはるかに容易です。
しかし、本に書き込みをするなんて・・・という人は多いです。
私も以前はそうでした。
本を買ったとき、その本は確かに読者の所有物となる。着る物や家具を買ったときと同じである。だが、本の場合、これはほんの序の口にすぎず、本が本当に読者のものになるのは読者がその内容を消化して自分の血肉としたときである。自分の血肉とする最良の方法−−−それが行間に書くことなのだ。
本を読む本57ページ
言い換えると、
インクのシミがついた紙の束を手に入れただけで満足するか、その内容を理解し身につけて満足するか。
後者ならば行間に書き込むのが最良の方法だ・・・
ということでしょうか。
最良で有る理由は、
-
目覚めていられるから
やはり体を動かした方が眠くなりませんよね。
-
積極的読書とは考えることであり、考えたことは言語で表現されるものだから
自分ではわかっているつもりでも、言葉として表現できないと本当にわかっているとは言えません。
言葉として書き込むことで、本当にわかっているということを確認できます。
-
自分の反応を書きとめておくことは、著者の言っていることを思い出すのに役に立つから
全てのことをいつまでも覚えていられる人なんていませんよね。
特に二番目の項目は、我々催眠を行うものとしては重要です。
暗示文は被験者に聞かせないと通じません。
被験者に聞かせるには、言葉として表現できていないといけません。
暗示文を作るときは、頭の中だけではなく、実際に言葉にすることが重要です。
でも、やはり本に書き込むなんて・・・と躊躇している人は、以下の部分を読むと良いでしょう。
読書は著者と読者の対話でなければならない。たぶん著者はその問題について読者よりも多くのことを知っている。でなければ読者がその本をわざわざ読んだりするはずがない。しかし理解するというはたらきは一方通行ではない。本当に学ぶには自分自身に問いかけ、それから教師に質問をしなければならない。教師の言っていることがわかったら、教師とのあいだで議論をたたかわすことも辞さぬようでなくてはならない。本に書き入れをすることは、とりもなおさず、読者が著者と意見を異にするか同じくするかの表現なのである。これは、読者が著者に対してはらう、最高の敬意である。
本を読む本58ページ(強調は引用者)
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2009年9月17日
積極的な読書のための技術として重要なことが、読んでいる間に質問をして自ら答えることです。
もちろん、どんな質問でも良いわけではなく、適切な質問でなくてはなりません。
意欲的な読者がしなければならない質問は以下の四つです。
-
全体として何に関する本か
その本の主要なテーマは何なのか発見します。
-
何がどのように詳しく述べられているか
著者が伝えようとしている思考、主張、議論の要点を発見します。
-
全体として真実か、あるいはどの部分が真実か
この質問は、前の二つの質問に答えた後、初めて答えられます。
何が書いてあるか理解せずにはそれが真実かどうかの判断はできません。
本に書かれていることを鵜呑みにせず、真実かどうかを吟味することは読者の義務です。
-
それにはどんな意義があるのか
著者はなぜ、この本を世に問うたのか、読者に取ってそれは重要なのかを判断します。
そして、この本の内容のさらに先にはどんな示唆があるのかを問いかけて、さらに思考を深めていく必要が有ります。
「点検読書」は、初めの二つの質問に答えるのに役に立ちます。
「分析読書」は、この四つの質問すべてに答えないと完全にできたことにはなりません。
それができて初めて、その本の(全体または部分の)真実性の判断ができるし、その本の意義が読者の中でどの位置にくるかの判断ができるのです。
これらの質問は、それを心得ているだけではなく、読みながら質問をし、それに回答していくことが必要です。
読者は、これらの質問に正確に答えていく技術を身につけなければなりません。
それができて、初めて意欲的な読者と呼ばれるのです。
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2009年9月13日
本を読む本では積極的な読書ということが言われ続けています。
本に書かれている文字列を読むだけではなく、本の中に隠されている宝物を探し出して手に入れるような積極性が求められています。
しかし、その積極性は気持ちだけでは維持できません。
良く言われる、「難しい本を読んでいると眠くなる」ことは、本を読む意欲だけでは防げないとあります。
良い本を読みながら眠ってしまうような人は、読む努力をしようという気がないのではなく、努力のしかたを知らないのだ。良い本は読者にとって難解である。むずかしいくらいの本でなくては、読者にとって良い本とは言えない。そういう本に向かって読者は背伸びをし、自分をそこまで引き上げなくてはならない。そうしないことにはむずかしい本は退屈なばかりだ。読者がくたびれてしまうのは、背伸びをしているからではなく、うまく背伸びできないことからくる欲求不満のせいなのだ。それはうまく背伸びする技術をもたないからである。積極的な読書をつづけるには意志の力だけではだめだ。ちょっと見ただけではとても歯がたたないと思われるものにも手をのばし、自分を引き上げることのできる技術を身につけることが要求されるのである。
本を読む本56ページ
本を読むと眠くなる・・・あまり良いイメージでは有りませんが、実は単に読書技術が足りないだけの場合も少なくないのですね。
そして、その必要な技術を紹介するのがこの本の目的なのです。
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2009年9月8日
読書に不慣れな人が再読を考慮しにくいのはなぜでしょうか。
一つは点検読書のルールを知らないと言うことがあるでしょう。
そして無視できない要因として、読書にかかるコスト(労力や時間等)が大きいということがあるのではないでしょうか?
読書にかかる労力は、多くは読書の速度にかかってきています。
早く読めれば読めるだけ、労力は少なくなります。
逆に言えば、労力が無視できない人はあまり速く読めていない・・・のではないでしょうか。
労力とかを考えなくても、点検読書は短時間に行うものなので、読みの速さは重要です。
本を読む本にも速読トレーニングについて簡単に触れていますが、それについては最近の書籍や講習等の方が詳しいでしょうから、そちらを参照してください。
重要なことは絶対的な速度ではなく、必要に応じて速度を調整できることです。
読み飛ばして構わないところは速く、ゆっくり理解しながら読まねばならないところはじっくりと、という風に自由に読む速度を変えられることこそが重要なのです。
速さに捉われるあまり、忘れがちになってしまいますので、注意してください。
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2009年9月5日
拾い読みが済んだ今、さらに読み込むべきか捨て去るべきか判断ができています。
この段階で、分析読書に進む前にすべきことが、点検読書の後半である表面読みです。
表面読みは難しいことは有りません。
ただ、本を最初から最後まで通して読むだけです。
この時の注意点としては、分析読書に進む(少なくとも一回は再読する)ことを前提に、ともかく読み通すことだけに注力することです。
途中で知らない用語や概念に出会ったからといって、辞書を引いたりググったりしてはいけません。
ともかく一気呵成に読みきります。
例をあげてみよう。シェイクスピアの戯曲を読むのはすばらしく楽しい。ところが、英米の高校生は、昔から『ジュリアス・シーザー』や、『お気に召すまま』や、『ハムレット』を教室で読むとき、各シーンごとに語彙集で単語をひいて、学者の脚注を調べて、という調子でやらされているから、せっかくの楽しみもどこかへとんでいってしまう。こうして、戯曲の結末にいたるころには発端を忘れてしまい、全体の把握がおろそかになる。これでは学生はシェイクスピアの戯曲を本当は何一つ読んでいないのも同然である。専門知識を無理じいしないで、一回の授業で一つの戯曲を読み切り、最初の速読から得たものについて論じあう、というやりかたをとるべきだ。こうして下地を作っておけば、同じ戯曲をもう一度念入りに詳しく読んだときに、ずっと多くを学びとり理解できるようになる。
本を読む本45〜46ページ
日本で言えば、古典の授業で源氏物語を読むときに相当するでしょうか。
ここでは再読を前提にして、詳しい解釈は再読以降に任せて、初読はともかく全体像をつかむために行うことが強調されています。
読書に不慣れな人は、この再読を前提にするということができない人が多いようです。
そのような人達は、点検読書の意義を理解していないか、初級読書が十分にできていないかのどちらかです。
次回は少し戻ってしまいますが、初級読書の範疇である速読についてみてみたいと思います。
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2009年9月4日
点検読書の拾い読みと表面読みは一つの技術の両面なのですが、慣れるまでは別々と考えた方が習得し易いでしょう。
慣れてくるとこの二つを同時にできるように自然になっていきます。
拾い読みは可能な限り短時間で、その本について品定めをするためのものです。
時間はとれませんから、読む量を減らす必要が有ります。
では、どこを読めばよいのでしょうか?
この本では以下のヒントが与えられています。
-
表題や序文を見ること
サブタイトルなど、その本の目的や取り扱う範囲、著者のものの見方などを示すものにはとくに注意する。
-
本の構造を知るために目次を調べる
目次は著者が作った、その本の地図のようなものです。
未踏の地を探検するのに地図を調べないのは愚かなことです。
-
索引を調べる
これは索引がある本の話になります。
その本から得たい知識のいくつかを実際に索引で調べてみます。
索引項目の充実度や、索引で参照されているページの適切さ等を判断します。
-
カバーに書いてあるうたい文句を読む
商業的な宣伝文句が書かれていると思われがちですが、著者自身が著書の要約を書いていることも少なく有りません。
そういった有用な文章を見逃すのは大きな損失です。
-
その本の議論の要と思われるいくつかの章をよく見ること
目次や索引等から、その本の要の章を見極めます。
そういった章には要約がついていることがあるので、それを読みます。
-
ところどころ拾い読みしてみる
一段落か二段落ずつ位の分量で、本全体に渡って拾い読みします。
特に最後(終章がある場合はその直前)の2〜3頁には著者がまとめを書いているので、良く読んでおきます。
これで点検読書の前半が終了しました。
ここまでの作業で、この本をさらに読み込むべきかどうかの判断はついているはずです。
この後表面読みへ進んでいきます。
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2009年1月19日
読書の第二レベルは点検読書です。
点検読書は、
- 何についてかかれた本か
- 全体の構成(どこに何が書かれているか)
を見極めるための読書です。
上記の目的を達するため、以下の二つの読み方を行います。
- 拾い読み
- 本文以外のその本について書かれているあらゆる文章(目次、索引、カバーや帯の紹介文、あらすじ等)と、本文中のまとめや要約部分を少しずつ読む。
- 表面読み
- 本文を一気に通して読む。
知らない単語とかがあっても調べてはいけない。脚注や注釈も読み飛ばして、理解度を度外視して本文だけをともかく読みきる。
点検読書は、その本が購入するだけの、またはより高度な読書をするだけの価値が有るかを判別するためのもの、と言うことができるでしょう。
この本では、ほとんどの人が点検読書の価値に気づいていないと述べています。
点検読書については、あとの4章で述べるが、ここでひとこと言っておきたいのは、ほとんどの人はこの読書の値打ちに気づいていないということである。すぐれた読書家でさえもこのことを認識していない。誰でも第一ページから読み始めるが、目次はまったく無視しているのだ。その結果、内容を理解する次のレベルの仕事をしながら、同時に本の表面をつかむ点検読書の仕事を並行させなくてはならない。そのために、よけいに仕事がむずかしくなるのだ。
本を読む本29ページ
私は拾い読みに相当することは常から行っていたので、上記引用部の指摘から外れていると思っていました。
しかし、私にとっての表面読み(通読)は精読(この本で言う分析読書)の範疇でした。
その意味では、やはり私も点検読書の値打ちに気づいてはいなかったことになります。
この、表面読みが点検読書に含まれることは、最後の三色ボールペン読書法で再び触れますので、覚えておいてください。
1月25日講習会を行います
1月24日オフ会開きます
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2009年1月17日
この本では初級読書についてはほとんどページを割いていません。
あまりに初歩的過ぎて言うべきことが無い・・・といった感じです。
最初のレベルは、「初級読書」である。この初歩的な読み書きを学ぶ第一レベルは、基本読書、基礎読書、初歩読書と名づけても良いのだが、ふつう小学校(エレメンタリ・スクール)で学習するから、「初級(エレメンタリ)読書」としておこう。初級読書は、読み書きのまったくできない子供が初歩の読み書きの技術を習得するためのものである。
本を読む本26ページ
とはいえ、高校で四分の三、大学でも半数がこの初級読書が満足のいくレベルに達していなかったとも書かれています。
アメリカでの、70年代の話ですから、そのまま今の日本でどうこうではありませんが、最近の読書離れを考えると他人事では有りませんね。
前回紹介した各読書レベルはより低位のレベルを包括して上位のレベルへ進んで行きます。
ですから、この初級読書が満足に習得で来ていないと、その先を身につけるのは夢のまた夢・・・ということになってしまいます。
まずはしっかりとこのレベルをクリアしておきましょう。
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2009年1月14日
今回は本を読む本の概略についてです。
この本では、読書に四つのレベルを設け、個々のレベルについて詳解しています。
- 初級読書
- もっとも低レベルな読書で、書いてある文章の意味が分かるという程度のもの。
日常会話で「読書」と言うと、大抵はこのレベルを指す。
- 点検読書
- 第二レベルの読書で、本の概略と構成をを把握するためのもの。
拾い読みを系統的に行う。
- 分析読書
- 第三レベルの読書で、いわゆる精読にあたる。
分析読書は単に本の内容を理解しただけでは終わらない。その本について批評をしなければならない。
きちんとした批評を行わない限り、その本を理解したとは言えない。
- シントピカル読書
- もっとも高レベルの読書で、一つのテーマについて複数の書籍を比較検討するもの。
個人的にはこのレベルは読書ではなく、調査/研究そのものだと思う。
個別の内容については目新しいことはなく、特に読書法など意識していなくても、千の単位で読書量を計る人にとっては自然にできていることばかりです。
しかし、この様に個々の読書技術を系統立てて整理しておくことは大きな意味を持っています。
自然に体得した読書法では、系統的な視点が欠けているがために大きな落とし穴にはまっていても気がつかなかったりします。
この辺りは後で詳しく紹介します。
次回以降は、個々の読書レベルについて紹介していきます。
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