今まで嘘はいけないと何度か書いてきました。
では、嘘ではない、間違いについてはどうでしょう?
商業出版でさえ誤植を根絶できていないので、単純なミスをことさらあげつらうのはどうかと思います。
ただ、単純ミスなら何でも許すべきとも言えず、あまりに量が多いとか、意味が変わってしまうものとかはやはり指摘・批判していくべきでしょう。
程度問題ですね。
嘘でもなく、単純なミスでもない間違いというのはあるのでしょうか?
嘘とは故意性が問題になると思います。
批判の文脈で嘘を指摘するには、本人が間違いであることを知っていたことが条件として必要ではないでしょうか?
では、嘘と批判する程でもない、間違いとはどんなものがあるでしょうか?
それは知ったかぶりと呼ばれるものになると思います。
今回は、知ったかぶりの中でもソーカル事件系のものを扱いましょう。
物理学者のソーカルは、ある種の人たちが数学・科学用語を権威付けとしてでたらめに使用することに憤慨して、ちょっとした(?)いたずらをやらかしました。
詳しくはリンク先をいろいろ見てください。
さて、ここに、以下のような文章があります。
ユークリッド幾何学で物事を捉えている間はまるで信じられないと思いますが、
「二本の平行線は交わらない」など、相対性理論が発表されてからは時間と空間は歪んでいると言うのが常識になってますので、現代では「二本の平行線は交わる」と言うのが正解となってます。
時間と空間と重力は一体であると言うのも現代では常識ですから、概念として見た際は時間軸と空間軸は同列に扱っても差しさわり有りません。
時間と空間が数式では同一に扱われており、現在は時空間として扱われています。
突っ込みどころが多すぎて途方に暮れてしまいますが、順番に見ていきましょう。
「二本の平行線は交わらない」など、相対性理論が発表されてからは時間と空間は歪んでいると言うのが常識になってます
一般相対性理論が数学的土台としているリーマン幾何学と楕円幾何学と混同しているようです。
また、一般相対性理論の成立と非ユークリッド幾何学の成立には半世紀以上の隔たりがありますので、この表現は妥当性を欠きますね。
現代では「二本の平行線は交わる」と言うのが正解となってます。
正解と言うと、他は間違っているみたいですね。
何の幾何に対する言明かが書かれていないので、全く意味の無い文章です。
まさか、平面の幾何において、「二本の平行線は交わる」と言うのが正解などと言っているのではありませんよね。
まぁ仮に、この宇宙の幾何が楕円幾何だと言うのが現代では正解とされている…と言う主旨だとしましょう。
しかし現代の研究では、宇宙は平坦であるというのが主流の様です。
時間と空間と重力は一体であると言うのも現代では常識ですから、概念として見た際は時間軸と空間軸は同列に扱っても差しさわり有りません。
前半の、時間と空間と重力は一体であると言うのも現代では常識ですまでは首を傾げながらもよしとしましょう。
しかし、後半の概念として見た際は時間軸と空間軸は同列に扱っても差しさわり有りませんはアウトですよね。
これは次の文と関連しているので一緒に見てみましょう。
時間と空間が数式では同一に扱われており、現在は時空間として扱われています。
相対性理論では、時間と空間は相互に関連があり、一体となった時空間として扱わなければいけない…と主張します。
しかし、ググってみればすぐ分かりますが、時間と空間は数式で同一に扱われてはいません。
そのため、時間軸と空間軸を同じに扱ってよいと言うのは大変な間違いです。
この文章の著者はしたり顔でいろいろと述べていますが、少なくともこの部分では自分で言っていることを実際に読んだり学習したりしたことは一切無いと断言できるだろうことはここまでの論考で確認できると思います。
この文章は、未来進行催眠は未来の人の脳と同調するものだ…ということを説明する文脈としてでてきます。
ここでは未来進行催眠の内容や真偽に付いては論じませんが、上に示したようなデタラメで説明されるようなものに信憑性があるのか?
ここまでデタラメを平気で書く人物の、他の部分の文章が果たして信頼できるのか?
という疑問は提出しておきます。
他山の石とせねばなりませんね。
タグ: 催眠
2019年9月11日 01:39 |
[…] >>2 つ https://infrahypnotism.wordpress.com/2015/08/04/%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%B6%E3%82%… […]
2019年11月9日 11:53 |
[…] >>2 つ https://infrahypnotism.wordpress.com/2015/08/04/%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%B6%E3%82%… […]