「かけ手はかかり手の経験が有った方が良い」とは言うけれど…

2020年9月3日

表題のようなことはよく言われます。
かからない人っぽい私はそれを聞く度にぐぎぎぎと思っていました。
まぁ、かけ手になるのにかかり手の経験が必須ではありませんからね!(負け惜しみ)

確かにかかり手の体験が有った方が良いことは確かだと思います。
しかし、そこには気をつけなければいけないというか、落とし穴があると思うのです。

表題は「催眠状態3の認識は、かけ手となった時にかかり手の催眠状態2を推定するのに役に立つ」と言い換えることができるでしょう。

ここで問題なのは催眠状態3と催眠状態2は全くの別物だと言うことです。

催眠状態3
催眠状態1の、かかり手自身の体感
催眠状態2
かかり手の催眠状態1を、かかり手の言動や身体反応などの外観からかけ手が推定したもの。

催眠状態3は、自身の体感です。そこには観察力とか必要有りません。
一方催眠状態2は、かかり手を観察しての考察の結果です。
全くの別物です。

かけ手はかかり手の体験が有った方が良い…ことには特に反対しませんが、催眠状態3と催眠状態2の弁別ができない内は逆効果になりかねないことにも注意が必要です。

頭トロトロの呪縛を断ち切れ!

2020年7月13日

前回、「催眠状態」は三つの意味が混在して使われているとし、その三つを以下のように表しました。

  • 催眠状態1:実在・客観の催眠状態
  • 催眠状態2:かけ手の主観としての催眠状態
  • 催眠状態3:かかり手の主観としての催眠状態

そして催眠以前的状態論は催眠状態1を指し、それに対して信仰を持った不可知論的立場を取る。
催眠状態1に対して不可知論的立場を取るために催眠状態2は意識しない、としました。

では、かけ手は催眠状態2を意識しない方が良いのでしょうか?

私はそれにメリットがあると考えますが、催眠状態2を意識していても施術には問題ないと思います。
催眠状態2を意識した施術の手順を、前後を省略すると以下のようになります。

  1. 最初にかかり手を催眠状態2に誘導する。
  2. かかり手が催眠状態2に入ったことを確認する。
  3. 必要なら暗示の内容に適した深度まで深化した後に暗示を施す。(以後これを繰り返す)

普通ですね。
私も基本的な流れは上の通りです。

え?「催眠状態2を意識しないと得られるメリットは?」ですか?

催眠状態2を意識しないメリットととして、上の手順に加えて以下のことが可能になります。

  • 誘導していないはずなのに現象を起こせる。
  • 深化度合いを無視した現象を起こせる。

これはいつもできるわけではなく、「できる!」と思った時にできるものです。

つまり催眠状態2では無い何かだとしても、何らかの状態を判定していることになります。
この判定方法は多くをK要素に頼っており、まだ言語化できていないために説明ができません。
頭の中の、第六文明人の創ったゲージにイデの光が輝いたとか、額からまたはこめかみを貫いてニタ光が疾ったとかいった感じです。

そう考えると、上のメリットは私が催眠状態2を意識しないと言うよりも、「催眠状態」(それは何か置いておいて)の判定方法の違いに有りそうです。

催眠状態の説明に、よく「トランス状態」と言われますが、私はこの説明には違和感以外の何ものをも感じないので、ここでは催眠で言うトランス状態を以下「頭トロトロ」と呼称します。

多くのかけ手は催眠状態に成ったか否かを頭トロトロかどうかで判断しているようです。
また、催眠深度も頭トロトロ具合で判断しているようです。

しかし、状態論の立場に立ってかつ、上のメリットの存在を考慮すると、頭トロトロでは催眠状態を捉え切れていないのは明らかです。

これからは頭トロトロの呪縛を断ち切って、より広い催眠状態2の判定方法を個々に確立することが急務ではないでしょうか。
それができた暁には、状態論派でありながら非状態論派の汚名を着ることができるでしょう。

状態論派なのに非状態論?

2020年6月17日

私は主観的にはバリバリの状態論派なのですが、最近非状態論派なのでは?と言われることが何回か有りました。
そう言われるということは、私の言動に非状態論派っぽい所が(外から見て)あるのでしょう。

このままでは状態論派としてのアイデンティティが揺らいでしまうので、自分の立ち位置などを再確認しましょう。

まずは催眠状態の確認を。

催眠以前的催眠状態
催眠現象が起きたならば催眠状態

次は催眠状態の種別について。
これは最近の知見で、Twitterでのニセゾウミジンコモドキ(@nise_modoki)さんの以下のtweetに基づきます。

催眠状態1
客観・実在としての催眠状態
何らかの手段で、非催眠時の状態と弁別できる、かかり手の生理的、心理的状態
催眠状態2
かけ手の主観としての催眠状態
かけ手が施術時に想定する催眠状態
催眠状態3
かかり手の主観としての催眠状態
かかり手が想定、体感する催眠状態

催眠以前的催眠状態は催眠状態1です。
以前述べたように、若干不可知論的態度となります。
信仰を持った不可知論と言えるでしょうか。

催眠状態2は、かけ手が誘導の時に目指すマイルストーンです。
よく言われる催眠深度などはこの催眠状態2になります。
催眠状態1に不可知論的な立場の私としては催眠状態2は考慮しません。不可知論ですからw

催眠状態3はかかり手が外からの情報や体感から作り上げるイメージになります。
このイメージによって施術の難易度は影響を受けるので、かかり手が誘導に前向きになれるような説明を心掛けます。

催眠以前的には、信仰を持った不可知論という立場なので、信仰告白はしても、それに関して議論すると言ったことはしません。
ただ、かかり手の催眠状態3を有効なものにするために「催眠状態」と言う言葉はつかいます。

私に非状態論派臭を感じる人は、催眠状態2に対する態度を見て、状態論派か非状態論派かを感じ取っているのでしょう。
それなら私が非状態論派に見えるのも仕方がないことかもしれません。

状態論派なのに非状態論派に見える…という矛盾が解消できてすっきりしました。

11/10 はじめの一歩講習会@barfu…

2019年10月15日

長らく中断していたはじめの一歩講習会ですが、形態を変えて再開します。以前は喫茶店の貸し会議室で行っていました(以下、教室版と呼称)。

今回、イベントバーfu…(@barfu10)さんのイベントとして再開します(以下、イベント版と呼称)。

教室版はいかにも講習会といった感じでしたが、イベント版は小さなバーを貸切で行うオフ会、そのメインコンテンツが講習…といった感じです。

そのため、参加はするが受講はしない…ということも可能です。

講習内容は教室版と変わりません。
カタレプシーと覚醒を講義と実習します。

日時:2019/11/10 11:00 ~ 16:00(カフェタイム)

料金:チャージ 500円 + 飲食代

会場:イベントカフェバーFu…

はじめの一歩講習会@barfu.. 中止になりました

2019年9月24日

下記講習会は台風の影響を考慮して中止になりました。

ご注意ください。


長らく中断していたはじめの一歩講習会ですが、形態を変えて再開します。以前は喫茶店の貸し会議室で行っていました(以下、教室版と呼称)。

今回、イベントバーfu…(@barfu10)さんのイベントとして再開します(以下、イベント版と呼称)。

教室版はいかにも講習会といった感じでしたが、イベント版は小さなバーを貸切で行うオフ会、そのメインコンテンツが講習…といった感じです。

そのため、参加はするが受講はしない…ということも可能です。

講習内容は教室版と変わりません。
カタレプシーと覚醒を講義と実習します。

日時:2019/10/13 11:00 ~ 16:00(カフェタイム)

料金:チャージ 500円 + 飲食代

会場:イベントカフェバーFu…

催眠以前的状態論 2

2018年11月2日

前回は催眠以前的催眠状態(以下、単に催眠状態と呼ぶ)の定義を提示して終わりました。
その定義とは

『催眠現象が起きているなら、催眠状態である』

でした。

Twitterでこの定義を提示した後に「何も説明していない」という批判を受けました。
その批判は当然です。
この定義は催眠状態を全く説明していません。
前回述べた通り、現状では不可能だと考えているためです。

では、この定義は何のために、何を定義しているのでしょう。
これも前回の繰り返しになってしまいますが、状態論派の私が「催眠状態」という単語を使うための定義です。

催眠現象が起きている時は、脳又は心(意識?無意識?)又はその両方において、(今は技術的に不可能だが、原理的には)他の状態と弁別できる状態にあり、それを催眠状態と呼称する…ということです。

まだまだ続くんじゃ。

催眠以前的状態論 1

2018年10月18日

催眠界隈では状態論・非状態論の議論が続いています。
私は状態論派です。

ただ、普通(普通って何?)の状態論とは若干ちがうかも知れません。

催眠以前的状態論とはどんなものか考えてみましょう。

大前提として、催眠は自然科学で扱えていない(と私は思っている)ということがあります。
自然科学で扱うための再現性がまだ見つかっていないと私は思っているからです。
そのため具体的な描像は(まだ)得られないと思っています。

催眠以前的には技術の向上にはこういった #とは 系の考察は欠かせないのですが、描像無くしてどう考察できるでしょうか。

私は悩んだあげく、催眠状態の描像については諦めました。

催眠状態とは何がどんな状態なのかとか、どうやってそこへ誘導するのかとか、催眠状態であるかどうかの判定とかとか、全てまるっと諦めました。
だって(今はまだ)どう足掻いても私の納得のいくレベルでの解明は不可能なんですから。

しかし、状態論派としては「催眠状態」という言葉は使わざるを得ません。
言葉を使うには意味を明確にしておかなければなりません。
再三このブログで言ってることです。

重要なのは今までの経験や催眠以前的考え方と矛盾しないことです。
いろいろ考えた末にたどり着いた催眠以前的催眠状態とは

『催眠現象が起きているなら、催眠状態である』

です。

とぅ・びぃ・こんてぃにゅぅど

「催眠術はじめの1歩」講習会を開催します(9月17日)

2017年7月18日

「催眠術はじめの1歩」講習会を開催します。

講習内容は、

  • 講義1時間(30分,30分)、実習2時間(被験モデルあり)
  • 技法:カタレプシー,弛緩法,覚醒
  • 少人数(4人)
  • 安価(\10,000)

です。

催眠初心者が独学できにくいのが、誘導と覚醒です。
これができてしまえばあとは他人の施術を参考にしたりビデオを見たりして、修行あるのみです。
この講習は誘導としてカタレプシーと弛緩法にフォーカスを絞って講義/実習することにより、短時間で独学可能なレベルに達してもらうことが目的です。

講義内容は「催眠以前」の観点から、他のスクールにはない独自の内容となっています。

  • 期日:2017/9/17(日) 13:00〜16:00
  • 場所:都内 貸し会議室 (詳細は申し込み時にお知らせします)
  • 金額:\10,000-
  • 申込:2017/9/11(月)までにinfrahypnotism@gmail.com宛に下記内容をメールしてください。
    折り返し受講料の振込先をお知らせします。

    • 氏名(ハンドル可)
    • 電話番号(携帯可)

先着4名様までとします。
皆さん、よろしくお願いします。

催眠の個人教授します

催眠術では本人の嫌がることはできない…ということは?

2017年7月5日

タイトルのようなことはよく言われていて、まぁ一般的にと枕詞をつければ間違いとは言えません。

ところでみなさんご存知の覚醒。覚醒も催眠暗示による催眠現象だということは周知のことだと思います。

この二つを合わせると…?

そうです。覚醒しても覚めてこない被験者の出来上がりです。

催眠が本人の嫌がることを強制できないとして、被験者が覚めたくないと思っていたなら、催眠暗示でしかない覚醒暗示で覚醒できないことは理の当然というわけですね。

では、一度覚醒を試みて覚めてこなかった被験者は放っておくしか無いのでしょうか?

もう一度覚醒を試みるのは無駄なことなのでしょうか?

一つとして、一度覚醒して覚めてこなかっただけでは、覚醒したくないのか、深くなりすぎて覚めるのに手間がかかっているのかの区別がつきません。

後者の場合は何度か覚醒を行って十分に覚めさせるのが正解でしょう。もちろん、性急だったり乱暴だったりしてはいけません。

この場合は、被験者をよく観察していると、覚醒の度に覚めてきていることがわかります。逆に言えば、覚醒を繰り返しても覚醒の度合いに変化が見られなければ前者と見て、別の方策をとる必要が有ります。

では、その場合どうすれば良いのでしょうか?

本人が覚めたくないのですから、覚めてもいいと思ってもらえば良いのです。

覚醒の仕組みで説明したように、催眠から睡眠へ移行させて、十分な休息を与えた後、(睡眠から)起こしてあげれば良いのです。

はじめの一歩講習会(7月16日)開催します。
催眠の個人教授します。

「催眠術はじめの1歩」講習会を開催します(7月16日)

2017年6月12日

「催眠術はじめの1歩」講習会を開催します。

講習内容は、

  • 講義1時間(30分,30分)、実習2時間(被験モデルあり)
  • 技法:カタレプシー,弛緩法,覚醒
  • 少人数(4人)
  • 安価(\10,000)

です。

催眠初心者が独学できにくいのが、誘導と覚醒です。
これができてしまえばあとは他人の施術を参考にしたりビデオを見たりして、修行あるのみです。
この講習は誘導としてカタレプシーと弛緩法にフォーカスを絞って講義/実習することにより、短時間で独学可能なレベルに達してもらうことが目的です。

講義内容は「催眠以前」の観点から、他のスクールにはない独自の内容となっています。

  • 期日:2017/7/16(日) 13:00〜16:00
  • 場所:都内 貸し会議室 (詳細は申し込み時にお知らせします)
  • 金額:\10,000-
  • 申込:2017/7/10(月)までにinfrahypnotism@gmail.com宛に下記内容をメールしてください。
    折り返し受講料の振込先をお知らせします。

    • 氏名(ハンドル可)
    • 電話番号(携帯可)

先着4名様までとします。
皆さん、よろしくお願いします。

催眠の個人教授します